前職で教えられた仕事の取り組み方について、少し触れさせていただきたいと思います。
先日、とあるふつうの街のレストランで食事をしました。普段使いにはちょっとお高めのお値段でそれなりのお料理の、こじゃれたお店でした。ご存知の方も多いですが、前職では飲食店でホールサービスをしていましたので、ちょっとした細かいところまでが気になってしまう悪い癖があるのですが、このお店でとても気になってしまったのが、残念ながら店員さんの接客です。料理名を言ってもなんだかおぼつかない感じだし、動きにやや不安なところもあり…。そして、メインのお料理前にシルバーセット(フォークやナイフが入ったかご)を一旦総入れ替えしたかったのか、下げていきました。そして、新しいシルバーセットをもってくる前に、メインのお料理がきてしまいました。料理を出したときに気づくかな?と見守っていましたが、結局気づかずに、次の作業に移っていました。そんなとき、あぁ、残念だなぁって思ってしまうのです。料理を出したときにテーブルを見るチャンスはいくらでもあるのに、なぜ気づかなかったのかなぁ…と。そんなエピソードです。
私も、新入社員時代、当時の上司にしっかり教育を受けるまでは、目の前の作業ばかりに目がいっていましたが、「仕事の仕方」を教えてもらってからは、いろんなことに目を配れるようになったと思います。(えらそうに言えるほどではないのですが…)
その時教えていただいたのが、4つの視点です。この4つを見逃さなければ、スムーズに仕事を運ぶことができ、お客様にストレスを与えることはありません。
まずひとつめは、お客様の動き。たとえば、メニューをずっと見ていたのに、急に顔があがったら、注文したいのかな、とか。料理がでてきてすぐもう一度メニューを開いたら、もしかしたら頼んだものと違ったのかな、とか。
ふたつめは、テーブルの上。なかなかお客様のテーブルの上をじろじろ見ることはできませんが、さりげなくホールを回ってウォーターサービスをしながら、チェックをしたりします。テーブルの上にメニューがあればオーダー待ち。メニューがなければオーダー済みなので、シルバーセットやお皿、お水はきちんと出ているかな、とか。食事は終わってお皿は空いているけど、まだ伝票が置かれていなければ、食後のデザートか飲み物をそろそろ準備しなくてはいけないな、とか。
3つめは、料理。あるべき姿になっているか、盛り付けはきれいか、適正な温度か、異物混入していないか。
そして最後にスタッフの顔。同じ作業を重ねてやっている人はいないか、手が空いている人はいないか、仕事をかかえて困っている人はいないか。どこかで手が足りなくなっていないか。
この4つさえきちんと見ていれば、自然とすべてがうまく回るようになるのです。
飲食店と薬局では全然意味合いが違ってくるのかもしれませんが、私はいまも同じような見方で仕事をしています。忙しくなってくると、どうしても、目の前の作業を次々こなすだけになってしまいがちです。患者様の顔、待合室の様子、処方せん、スタッフの顔。相手からはつねにサインはでているので、それを見逃さないようにしていきたいなと思います。